薄毛や抜け毛が気になっているものの、実際にどの育毛剤や発毛剤を使えばいいのかわからない、なんて迷ってはいませんか? 発毛成分として注目されている「ミノキシジル」、テレビなどでも名前だけは聞いたことがあるという人も多いかもしれません。具体的に、ミノキシジルとはどんな作用があるのか、副作用や種類、注意点などなど、ミノキシジルについて詳しく調べてみました。
今回の記事ではミノキシジルについて詳しくお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
1.そもそも薄毛の原因は?
薄毛、抜け毛に悩む人は多いですが、そもそも何が原因なのでしょうか?生活習慣や老化など様々なことが原因とされていますが、最も多いのは壮年性脱毛症という遺伝性の薄毛・抜け毛なんです。 壮年性脱毛症になると、ヘアサイクルに変化が起こってしまい、徐々に進行し目立つようになります。
2.ミノキシジルとは
ミノキシジルは壮年性脱毛症の人の発毛促進と、抜け毛進行を予防する効果が認められている成分です。1979年に発毛効果が発見され、今では世界90カ国以上で医薬品の発毛剤として承認され使用されています。 ミノキシジルは実は最初は発毛剤ではなく、高血圧症治療薬として使用されていた薬でした。
ミノキシジルを使用して高血圧の治療をしていた患者に髪の毛が多くなる作用が認められたので、そこから外用の発毛剤として開発が進められ現在は薄毛対策のための成分として一般的なものとなりました。偶然の発見がきっかけだったんですね。
3.ミノキシジルはどんな作用がある?
高血圧症の治療として用いられていたミノキシジルは、血圧を下げるために血管を拡張させる作用があります。そのため頭皮の血行が促進されて毛髪に栄養がしっかりいきわたり、髪の成長を促すという仕組みです。ミノキシジルの作用について説明する前に、ヘアサイクルが乱れるとどうなってしまうのかについて説明いたしますね。
ヘアサイクルが乱れるとどうなる?
髪は毛穴から発毛し成長したあとは自然に抜けて、また同じ毛穴から新しい髪が生えることを繰り返しますが、これをヘアサイクルといいます。男女や個人差がありますが、健康なヘアサイクルは、4~6年とされています。
ヘアサイクルは成長期、退行期、休止期に分かれており、成長期の毛髪が全体の80~90%、休止期の毛髪が10~20%ほどだといわれています。成長期は男性で3~6年と言われており、毛母細胞が分裂を繰り返す期間です。退行期は、毛乳頭や毛母細胞を含む毛球部分が徐々に小さくなり次第に休止期に移行していきます。この期間は2~3週間ほどといわれています。休止期は完全に成長が止まり、簡単に毛が抜けてしまう時期となります。
壮年性脱毛症になると、毛根にある毛包が成長期であっても十分に成長せず毛包が小さくなってしまうことで髪が生えにくくなります。そして成長期自体が短くなるので、毛髪がしっかり成長せず、より薄毛が進行していってしまうのです。
ミノキシジルは毛母細胞を活性化する
ミノキシジルは血行を促進するだけではなく、髪の毛母細胞を活性化する作用があり、髪の生成を促します。活性化された毛母細胞が細胞分裂を繰り返して、新しい髪が生成されていきます。1日に抜ける髪の毛の数は50~100本くらいが一般的ですが、これ以上抜け毛があるようなら壮年性脱毛症を疑ってもよいかもしれません。
4.ミノキシジルは何歳から使える?
ミノキシジルの使用には年齢制限などはあるのでしょうか。
薄毛や抜け毛に悩んでいる人は40代や50代以上の人たちだけではなく、大学生の頃から悩む人もいます。 ミノキシジルを配合する発毛剤は20代などの若い人の治療でも使用することができます。
脱毛範囲が広くなってしまうと発毛効果を得るのが難しくなるため、薄毛が気になり始めたら早めに使用を開始するとよいでしょう。
5.ミノキシジルの薬にはどんなものがある?
ミノキシジルを配合する発毛剤には、外用薬と内服薬(タブレット)があります。
内服薬は血流に乗ってミノキシジルが細胞まで届くため、外用薬より成分の浸透率が高くなり、早く効果を実感する人が多いです。外用薬では発毛効果がみられず、内服薬を使用する人もいます。外用薬の場合は、効果が実感できるまでに少なくとも4~6ヶ月かかる場合が多いようです。
内服薬の場合
AGA治療のクリニックでミノキシジルの内服薬を処方された場合は、基本的に1日5mgの服用。
効果がなかなか出ない場合は1日10mg程度まで処方されます。
外用薬の場合
外用薬の場合は1日1~2回頭皮に直接塗ります。
初期脱毛って?
ミノキシジルの使用を始めた1~2ヶ月の頃は抜け毛が増える場合もあります。これは「初期脱毛」とよばれる症状で、成分が効き始めた現れでもあります。 ミノキシジルによって血行が促進されると、今現在生えている弱い毛が押し出されて抜けてしまうからです。1~2ヶ月で自然に止まる症状なので、抜け毛が増えてきたと感じる方は様子を見るのがよいでしょう。
また、用法・用量の範囲を超えて多量、または頻繁に使用しても効果があがるわけではありません。副作用が出やすくなるので、決められた用法・用量は厳守するように注意しましょう。
6.ミノキシジルの副作用は?
ミノキシジルは血管を拡張させる効能があるため、一番多い副作用としてかゆみやかぶれを訴える場合があります。かゆみやかぶれを感じたら使用を中止し、改善しない場合は皮膚科の診察を受けましょう。
かゆみ以外の副作用では動悸、頭痛、めまいなども挙げられますが、外用薬の場合は血液に直接成分が入るわけではないため動悸やめまいなど重たい副作用が起こる可能性は低いと考えられます。 内服薬の場合は外用薬より副作用のリスクは高まります。自己判断で使用するのではなく、医師の処方のもとで使用することをオススメします。
7.ミノキシジルの使用に注意したほうがよい人は?
ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬で、現在でも降圧剤として製造・販売されています。そのためミノキシジルを使用する際に下記の人は注意が必要です。
- ・心臓や肝臓に障害がある
- ・降圧剤を服用している
- ・低血圧である
- ・未成年である
該当する人は自己判断ではなく必ず医師に相談し、医師の許可がある場合にミノキシジルの処方をしてもらいましょう。
8.プロペシアとの併用で効果UP
ミノキシジルの使用に合わせて、プロペシアの使用をすることで薄毛・抜け毛の改善効果がアップすることが確認されています。
プロペシア(フィナステリド錠)は米国医療メーカーのMSD社が製造・販売する薬で、フィナステリドを主成分としたAGAの治療薬です。 現在は日本でもジェネリック医薬品が作られており、厚生労働省からも飲む育毛剤として認可されています。
プロペシアはAGAによる抜け毛の進行を遅らせる効果が認められています。頭頂部や前頭部で男性ホルモン受容体に男性ホルモンが活性化したDHT(ジヒドロテストステロン)が結合することで、毛母細胞の増殖が抑制されてしまい、ヘアサイクルの成長期が短くなります。これが薄毛の原因の一つです。
プロペシアは男性ホルモンをDHTに変換する酵素の働きを阻害するので、AGAの進行を遅らせる効果があるといわれています。発毛を促すミノキシジルの使用に併せて、AGAの進行を抑えるプロペシアを併用することにより、より薄毛・抜け毛の改善効果が見込めるでしょう。
9.ミノキシジルは女性でも効果がある?
女性でも薄毛や抜け毛を気にしている人がいますが、ミノキシジルは女性にも効果があるのでしょうか。 女性の薄毛や抜け毛の原因によくみられるのは甲状腺疾患ですが、40歳前後、40歳以降に頭頂部の薄毛や抜け毛が気になり始めた場合は「壮年性脱毛症」の可能性があります。
血管拡張作用によって発毛を促進するミノキシジルは、女性の薄毛や抜け毛も改善が期待できます。
ただし現在日本で認可された女性用の内服薬はありませんので注意しましょう。女性の場合は、外用薬の使用がおすすめです。現在、日本の市場に出回る発毛剤のミノキシジルの濃度は、男性向けが5%、女性向けが1%になっています。日本皮膚科学会でも女性には1%濃度の使用を勧めています。
そのため、女性の方は女性用として販売されているミノキシジル配合の発毛剤や育毛剤を使うことが望ましいといえます。
10.まとめ
発毛剤や育毛剤に含まれる成分ミノキシジルについてご説明しました。 外用薬か内服薬かによって効き具合が異なりますが、いずれにせよ髪の毛を生やすためにはどうしても期間が必要です。 薄毛対策に治療薬を使う人はまず半年間ほど使ってみるつもりで使用してみましょう。 副作用が心配な方は、一度医師に相談することをおすすめします。